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Art literacy Workshop Vol.2 の報告

平成20年度 文化庁 「文化芸術による創造のまち」 支援事業
くにたちアートプロジェクト  人材育成ワークショップ


Art literacy Workshop Vol.2

『これもアート? ~ 私がまちで見つけたアートについて』
が行なわれました。

7月25日 ,19:00-21:00
プランターコッテージ (国立市西2-11-2,No.7)
http://plantercot.exblog.jp/i7/において、
Art literacy Workshop Vol.2
『これもアート? ~ 私がまちで見つけたアートについて』
ファシリテーター : 小池マサヒサ(現代美術・彫刻家)


今年はなんだか暑い夏の気配・・・。
昨年よりも今年の方が暑い…と、体感できるほどに温暖化が進んでいるのだとしたら、こりゃぁ、相当ヤバイと思うんですが…。
Art literacy Workshopには5名が参加。
暑い夏の夜に暑い会話で盛り上がりました。

アートは難しい…、アートって意味不明、アートってわからない… などなど。
アートは私たちの日常から離れたところにあるもの…、美術館や博物館にあるもの…。アートはアートのわかる人だけのものにされてしまいがちです。…?でも本当にそうなのでしょうか?
私たちの日常の暮らしの中には、もはやアートは無くなってしまったのでしょうか?

今回のArt literacy Workshopでは、まちを舞台として展開される、様々な表現の実例を見ながら、“くにたち”というまちで「今」できる表現をあれこれ想像してみました。

Artの外側と内側がつくる境界線上にある表現…。
それははたしてArtなのか?
そもそも、それはArtである必要性があるのかどうか・・・?
そんなinnsaide outside の表現を垣間見ながら、想像性を膨らまして…、アートの本質とは?なぜ今、まちには表現(アート)が必要なのか?を考えるひと時となったのではないでしょうか。

次回、Art literacy Workshop Vol3 は、8月29(金)
テーマは、 『これもArt?・・・2回目』


以下は、私の個人的感想と報告です。


■芸術=Art?
私たちが暮らす社会には、長い歴史と伝統と共に育まれてきた様々な芸術や技の数々があります。これらの集積はやがて、地域の文化や日本の文化へと繋がり、そうした文化からは、私たちが歩んできた生活の歴史そのものを見ることができます。
私たちが日常の中であたりまえのように使っている「文化」や「芸術」という言葉。現代に暮らす私たちは通常、芸術=Artと理解しています。しかし、Art(アート)という概念は明治時代になってから日本に輸入されたもの…。
日本のArtの歴史はまだ100年程度。日本の歴史と同様、日本の文化・芸術の歴史にとってもこの100年間はまさに激動の時代だったと考えることができます。それはまた、欧米から輸入したArtを如何にして私たちが使いこなすか?の時代…まさに、Art literacy を追い求めた100年間だったとも言えるのではないかと私は思っています。

日本にArtという概念が輸入されたのは今から約100年前。それ以前の日本にArtが無かったのかというと、もちろん、そんなはずはありません。
平安時代でも・・・さらに以前の縄文時代から、この地にもArtは常にあり続けてきたし、そうしたことを私たちは今、あたり前なこととして理解できます。
しかし、この地に暮らしてきた多くの人々は、それらをあえてArtとして理解してはいなかった…と言うよりも、そんなことは考える必要性がなかった…。
日常の生活とArtは一体で、それを切り離して考えることは無かったのです。

かつて欧米から輸入したArtとは、そうした日常の中からあえてArtの部分を抜き出してみる…、別の言い方をすれば、“Artの概念”とは「あえて、そう考えてみること」であり、それは、「目には見えない社会を見ること」の始まりとなったのかもしれません。

現代に暮らす私たちは、お寺にある仏像をはじめ、ふすま絵、屏風絵、欄間の彫刻、掛け軸、書、花瓶、生花、盆栽…などはみな、芸術=Artとして理解しますが、そういった理解は全てArtという概念が輸入されてからのこと…。ようするに、これらを芸術=Artであると理解、解釈する過程がこの100年の間に培われてきたということなのです。

あれから100年経った現在。かつては日常の風景の一部であった、ふすま絵、屏風絵、欄間の彫刻、掛け軸、書、花瓶、生花、盆栽はArt…、というArtの概念はさらに進化し続け、かつてはArtであると解釈されていなかったものや出来事が、現在ではArtとして捉えられることはよくあること。それは、そもそもArtという概念が、時代の変化(Artの時間性)や社会の変化(Artの時代性)場所の変化(Artの場所性)と共に変化?…進化?し続けるものだから。「時間・場所・人との関係性の中で生まれるもの…」にはArtも含まれることは間違いないものの、おそらく『アートとは?』に対する明確な答えは無いに等しいのかもしれません。

かつて100年前、この地にArtという概念が入ってきた時。
当時、それを知った人々は必死にArtを理解しようとしたのだと思います。
その時代に生きた人々は、西洋のArtを理解できると信じていたはずです。
ところが、Artを知れば知るほどにArtを理解することの難しさに気付き始めた。
「Artは理解するものでは無い…」ということに私たちはようやく「今」、気付き始めたのかもしれません。


■「Artを使う」…?
社会の中にで、Artを使いこなせない…Artを理解しようとしても理解できない…、Artは「難しいもの」「意味不明なもの」というイメージが増せば増すほどに、Artは特別なものとしての存在性が増し、Artに精通する専門家が生まれる同時に、難しいArtや意味不明なArtをやさしく紐解きながら教え導くというかたちの関係性が生まれます。こうした、啓蒙的・トップダウン的構図の先には、Art作品を収集・保存し、より多くの人にArtに触れる機会を提供する美術館という役割の重要性が出来上がります。
あえてArtを日常から切り離し、傑作としてのArtを提示することによって、Artの本質や必要性を生み出す役割としての美術館を全面的には否定できないとしても、それでもやはりそうしたものだけがArtだと思われるようになりつつある社会を良好なバランスの保たれている状態だとは私にはどうしても思えません。

「Artは難しい…」
「Artは美術館にあるもの…」

こうしたイメージの背景にあるもの…。それは、Artが日常からずっと離れた遠くにあるもの…という、アートと日常との間にできてしまった溝であり、そうした社会の中で私たちは生きているという現実です。

しかし、私たちは、欧米の真似ごとだと言われたり…、それはアートじゃ無い…と言われながらも、Artが目には見えない社会を見る手段となることを学んできたこともまた事実です。
私たちは、Artによって、この地に脈々と繋がり続けてきた「美」そのものの存在を確認する重要性を知り、日常と切り離されることの無いアートをつくり続けてきた。その過程は既に私たちが築いてきた文化と言ってもかまわないのではないでしょうか。


■今という時代をつくるArt
世界情勢の変化と共に、Artも様々に変化を繰り返しながら多様化し、かつて日本が輸入した頃のArtとは全く別の…、想像すらできなかった…、それはアートかどうかも判断できないような、「様々な表現」が世界各地で…、そして、日本中のあちらこちらの街の中から生まれ続けています。
そうしたものの中には、今はまだArtかどうかも判断できないものもたくさん含まれています。
私たちが美術館で目にすることのできるArt(表現)は、必ずしも「今」という時代を表現しているとは限らないということ。本当に大切なことは、「私の中にある想い」をどのように表現するのか?の部分。自分が自分の外側である社会とどのようにすれば繋がるのか?という部分。そうした表現は、常に変化し続ける社会の中で、街の中でつくられ、生まれ続けているのです。
そうした行為がアートであるかどうかなんて、誰かが何処かで勝手に決めればそれで良いことなのではないでしょうか…。




※Art literacy Workshop Vol.2 参考資料

“inside OUTSIDE"
ストリートアート/グラフィティ新時代を牽引する8組の表現者に迫るドキュメンタリー 
2005年デンマーク 監督:アンドレアス・ジョンセン/ニス・ボイ・モラー・ラスムッセン
出演:ゼウス/スウーン/KR/イアスノット/オス・ジェメイオス/ビグメウス/アダム&イッツオ/ロン・イングリッシュ

これは表現なのかArtなのか?Artと犯罪の境界線があるとしたら?
そもそもArtかどうかはなんてことと表現とは別の次元のこと…。
表現がArtになりうるかどうか?は、社会が表現をどう捉えているのか?によって決まる。ここではArtだからといって、別の場所でもArtであるとは限らないのだ…。

Supermarket Flashmob
http://jp.youtube.com/watch?v=X4GMXavfKPY&feature=related
表現と街の接点は、ある日突然やってくるのかもしれない。
この偶然性に遭遇できたことをラッキーと感じるか?アンラッキーと感じるのか?その違いは、表現の周辺によって大きく変わるのかもしれない。

Food Court Musical
http://jp.youtube.com/watch?v=dkYZ6rbPU2M
観客と表現者。その違いは何処にあるのだろうか?
その境界線を限りなく曖昧にすることでいつもと違った方向から社会を見ることができるのかもしれない…。

drumcircle@setagaya_art_museum
http://jp.youtube.com/watch?v=CNXK2PCaUas
一人一人から始まる表現が一つに繋がる瞬間。そこに生まれるものは、可能性なのではないだろうか…

WE ARE THE THREE (ONLY!)
http://jp.youtube.com/watch?v=-5NXX5zs5k4

Free Hugs Campaign.
http://jp.youtube.com/watch?v=vr3x_RRJdd4

廃材アート?オブジェ制作中
http://jp.youtube.com/watch?v=GMKZJlgmc4E
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by kapweb | 2008-08-03 11:22 | アートリテラシーWS

アートリテラシーワークショップ Vol.2 の予定

平成20年度 文化庁 「文化芸術による創造のまち」 支援事業
くにたちアートプロジェクト  人材育成ワークショップ


     Art literacy Workshop Vol.2

日時 7月25日 ,19:00-21:00
場所 プランターコッテージ
   http://plantercot.exblog.jp/i7/
   国立市西2-11-2,No.7
内容 『これもアート? ~ 私がまちで見つけたアートについて』 
ファシリテーター : 小池マサヒサ(現代美術・彫刻家)

どなたでも参加可能。
緩やかなディスカッションの場  茶話会です。

問い合わせ : kunitachi.art.project.workshop@gmail.com (小池)
※場所の広さの都合上、参加希望の方は、事前のご連絡をお願いしています。


Art literacy Workshop Vol.2

アートは難しい…、アートって意味不明、アートってわからない… などなど。
アートは私たちの日常から離れたところにあるもの…、美術館や博物館にあるもの…。
アートはアートのわかる人だけのものにされてしまいがちです。
…?
でも本当にそうなのでしょうか?
私たちの日常の暮らしの中には、もはやアートは無くなってしまったのでしょうか?

私たちが暮らす社会には、長い歴史と伝統と共に育まれてきた様々な芸術や技の数々があります。これらの集積が文化を築き、そうした文化からは私たちの歩んできた生活の歴史そのものを見ることができます。
しかし、アートという概念は明治時代になってから輸入されたもの…。その歴史はまだ100年程度しかありません。日本の歴史と同じく、日本の文化芸術の歴史にとってもこの100年間は激動の時代。欧米から輸入したアートを如何にして私たちが使いこなすか?まさに、Art literacy を追い求めた100年間だったと私は思っています。

アートを私たちが使いこなせない時、その時アートは、「アートは難しい…」という言葉となって現われます。その言葉の背景には、社会の「様々な今」が含まれているのではないでしょうか。
その一つが、「アートは日常からずっと離れた遠くにあるもの…」という、アートと日常との間にできてしまった、距離感なのかもしれません。

しかし、私たち日本人は、この100年の間、アートを日常の中で使おうとしてきたこともまた事実です。時には、ただの真似ごとだと言われたり…、それはアートじゃ無い…と言われながら。
それでも、私たちには日常で使えるアートを探し、そして、つくり続けてきた。
その過程は既に私たちが築いてきた文化と言ってもかまわないと思います。

世界情勢の変化と共に、アートも様々に変化を繰り返しながら多様化し、かつて日本が輸入した時代からは全く想像できなかったような…、それがアートかどうかも判断できないような、「様々な何かが」世界各地で…、日本中のあちらこちらの街の中から生まれ続けています。

そして、私はこう思うようになりました。
「それがアートかどうかなんてことは本当はどうでも良いこと…」
本当に大事なことは、「それをどうやって、どのように表現するのか?」の部分だけにある。
それが結果的にアートであるかどうかはきっと誰かが何処かで勝手に決めることなのかもしれません。

■・・・と言うことで、Art literacy Workshop Vol.2 に
これも「アートだ!」と思う事例があればそんなアートを持ってお集まりください。
(そんなのは見つけられなかった…でも、もちろんかまいません。)
世界の…日本の、あれこれを用意してお待ちしております。
みんなであれやこれや楽しみましょう!

こんなものをみんなで見ようと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=X4GMXavfKPY&feature=related

小池マサヒサ
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by kapweb | 2008-07-03 14:20 | アートリテラシーWS

アートリテラシーワークショップ Vol.1

平成20年度 文化庁 「文化芸術による創造のまち」 支援事業
くにたちアートプロジェクト  人材育成ワークショップ


アートリテラシー・ワークショップ  Vol .1 は、終了しました。
次回 Vol.2 は、7月25日開催です。


Art literacy Workshop Vol.1
2008年6月20日
19時~21時
図書館&ギャラリー プランターコテッジ
ファシリテーター : 小池マサヒサ(現代美術・彫刻家)
テーマ : 『reinhabitation』 再定住 ~ 「今・ここ」 の感覚」

Art literacy Workshop Vol.1
『reinhabitation』 再定住 ~ 「今・ここ」 の感覚について

reinhabitation…リインハビテーション とは、「ふたたび土地に住みこむ」という意味を持っています。かつて私は、詩人・思想家の、ゲーリー・スナイダーの文章の中でこの言葉と出会って以来、私はこの言葉が持つ意味と、「今」私は「何処」に暮らしているのかについて考え続けてきました。
「生」は「ここ」にあるにもかかわらず、私達は「今」、そして、「ここ」に気づかない…、いや…、知らないふりをしながら、「今」・「ここ」と切り離された世界で生きようとしています。抽象的で曖昧な文化論だけを語り、どこかで誰かが付けた価値観に囲まれながら・・・。

”くにたちアートプロジェクト”について考え始めた時、私がまず最初に思い浮かべた言葉がこの言葉…リインハビテーションでした。

私には二つの場所で暮らしてきた…という感覚と、「今」、「ここ」で生きているという事実があります。一つは、生まれてから高校生までをすごした場所。そこでは今も両親や親戚が暮らしています。二つ目はくにたち市。大学に近い…という理由で暮らし始めたまち。自分が生まれた場所で過ごした年月よりも既に、この街で暮らした年月の方が長くなってしまいました。

私にとっての”くにたちアートプロジェクト”を考えるならば、それは「reinhabitation…リインハビテーション」そのものかもしれない。 
地域の文化的資源、地域特有の芸術文化を活かす…、
おそらくそれも「リインハビトリー=再定住者」という生き方なのかもしれません。
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by kapweb | 2008-06-25 01:22 | アートリテラシーWS

アートリテラシーワークショップ Vol.0

平成20年度 文化庁 「文化芸術による創造のまち」 支援事業
くにたちアートプロジェクト  人材育成ワークショップ


アートリテラシー・ワークショップ  Vol .0 は、終了しました。
次回 Vol.1 は、6月20日開催です。



「アートリテラシー(Art literacy) がなぜ必要か」

ふすま絵、屏風絵、欄間の彫刻、掛け軸、書、花瓶、生花、盆栽…は、日常の暮らしの中で育まれた「美」の使いこなしです。
「美」が生活の中に息づき、それを使いこなしながら、互いの関係性を作り上げていた時代。それは庶民の暮らしの中であっても変わりなく、あえてそれを「美」として意識するまでもなく、それを様々にもちいて空間や時間を楽しむといった、暮らしから切り離されることない「美の使いこなし方」が日常生活に浸透していました。
ところが現在、アートは難しいもの、日常では使えないもの、専門的に学んだ人にしか理解できないものという意識が私たちの常識として深く浸透すると同時に、「美」そのものやアートは余裕や暇のある人のものになってしまいがちです。
コミュニティーの崩壊が危惧され、人々の関係性が希薄となりつつある今、私たちが暮らす日本にかつてあった「美の使いこなし方」や
アートが持てる可能性を捉えなおすと同時に、日常生活の中でそれらを活用し、自分の面白いと思う環境を自らが形成することをとおした新たな繋がり方が求められているのではないでしょうか。


Art literacy Workshop Vol.0
2008年5月30日
19時~21時
図書館&ギャラリー プランターコテッジ
ファシリテーター:小池マサヒサ(現代美術・彫刻家)
「アートリテラシー(Art literacy) がなぜ必要か」
1:くにたちアートプロジェクトとは
2:「文化芸術による創造のまち」とは
3:アーティストとは

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by kapweb | 2008-06-03 01:05 | アートリテラシーWS